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2018.08.06 導入後初タイブレーク【全国高等学校野球選手権記念大会】【旭川大高vs佐久長聖】

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第100回 全国高等学校野球選手権記念大会の1回戦、[北北海道]旭川大高vs[長野]佐久長聖は9回裏の土壇場に旭川大高が4対4の同点に追いつき延長戦へ。12回裏を終えても4対4のまま導入後初のタイブレークへと試合は進んだ。

タイブレーク制とは

2017.09.19 導入決定

日本高校野球連盟は大阪市内で理事会を開き、阪神甲子園球場で開かれる(春)選抜大会と(夏)全国選手権大会でタイブレーク制を採用できるようルールを変更。これを受け、2018年度の(春)第90回記念選抜大会の運営委員会で採用が決定。(夏)第100回全国選手権記念大会でも導入見通し。

日本高野連は故障予防の観点から3年前からタイブレーク制の導入を検討。47都道府県高野連にアンケートを実施、内部委員会などで議論を重ねてきた結果、ルールが変更された。

タイブレーク制規定

早期決着を促す為、延長13回より無死1、2塁より試合が始まる。打順は引き継がれ、打者の1つ前打順者が1塁走者、2つ前打順者が2塁走者となる。

無死1、2塁でバントは定石?

明暗を分けたタイブレークでの攻防を解説。

13回表 佐久長聖の攻撃

6番打者⏩代打は左打席

3塁側へ送りバント

[投ゴロ]3塁送球⏩1死1、2塁

バント失敗で終わったこの場面、やはり3塁側の送りバントをサードに捕球させるのがセオリーでしょうか。ですが、相手投手は左投げで右投げに比べるとサードベースへ送球するフィールディングは容易かと思います。バッターも左打席となると守備側のシフトもファースト、サードは前進守備を取りにくい場面だと思い、必ずしも3塁側が正解では無い気がしてしまいました。

7番(右)打者⏩

[一ゴロ]ファーストエラー⏩1死満塁

8番(右)打者⏩[三振]2死満塁

9番(左)打者⏩[二ゴロ]⏩チェンジ

1死満塁へとチャンス拡大はしましたが、下位打線と打順にも恵まれず無得点。攻撃面、守備面と総合力が求められますね。そして運も…。

13回裏 旭川大高の攻撃

1番(両打)打者⏩右投手に対し右打席

2球続けてセーフティバントを試みるもファール⏩追い込まれながらもスリーバントを試み[三ゴロ]⏩1死2、3塁

裏の攻撃でサヨナラの場面。1点取れば勝ちの状況で選択したのが自らも生きるセーフティバント。バッターと監督のアイコンタクトでは選手に任せている様な雰囲気を感じましたが、確実に送ることが先決な場面であると思いました。結果的には三塁手への完璧なバントを決めたので素晴らしかったですが。

2番(左)打者⏩2球続けてボールでカウントは2ボール0ストライク⏩3球目スクイズを試みるがファール⏩結果的に[捕飛]⏩2死2、3塁

まず2ボール0ストライクの完全バッター有利なカウント。ピッチャーとしてはストライクが欲しい。多少甘くなっても仕方ない。ストライクの取れる球はストレートの確率が高くなる。そしてバッターは2番バッター。バントが出来たり器用なバッターである可能性が高い。この試合1番の緊張の場面だったと思いますが、決めてほしかったですね。

3番(右)打者⏩[投飛]⏩チェンジ

下位打線から始まった佐久長聖に対して打順1番からの好打順を活かせなかったのが最大の敗因だったと感じます。ストライクゾーンへストレートが来るとある程度予想出来た場面、勿体なかったですね。

14回表 佐久長聖の攻撃

1番(左)打者⏩3塁線へのバント。ファールにしようとサード捕球せず、転がるボールは無情にもフェアゾーンにボールが止まり[三安]⏩無死満塁

フェアゾーンに止まったボールがアップで映されたグラウンド状況を見ると運も味方した気がしました。

2番(右)打者⏩[二ゴロ]併殺崩れ⏩1死1、3塁

< 5対4 佐久長聖1点勝ち越し >

3番(左)打者⏩[遊ゴロ]併殺⏩チェンジ

14回裏 旭川大高の攻撃

4番(左)打者⏩初球バントはファール⏩ヒッティングに転じた打球は[三ゴロ]サードが捕球、サードベースを踏んで⏩1死1、2塁

4番左打者に対してライトが大胆な前進守備。データがあったんですかね。ライトを抜かれたらサヨナラだったでしょう…。

そしてバッターに関しては初球のバントではとても成功するような上手さは無かったです。13回はスリーバントと方針徹底だったのに、14回の場面では監督も悩んだのでしょうか。選手には悩まさず打席へ立たせてあげて欲しかった。

5番(左)打者⏩[二ゴロ]併殺⏩試合終了

相変わらずライトは大胆な前進守備でした。2点目を防ぐ守備シフトで良いと私は思って見ていたのですが…。1点を守りきりこの回で試合を決めたい気持ちは強く感じました。

まとめ

導入後初のタイブレークは両チームが送りバントを選択し、ヒッティングは全て凡打という形になりました。そして試合中の選手達の緊張感も物凄く伝わってきましたね。

両チーム健闘しましたが、4対3佐久長聖リードで迎えた9回裏からの旭川大高の攻撃には勢いがあり、優勢にも感じました。

最後に

3年間甲子園という舞台を夢見て、過酷な練習に耐え、ときにはチーム事情や大人の事情により理不尽な事を受けてきた選手もたくさん居ると思います。もっと言えば中学時代、小学時代から夢見た舞台だと思います。それを責任のないランナーを背負わされてゲームが進行する…。選手達は納得が出来ているのでしょうか?

気候への対応、選手の身体への対応と考えるべき事はたくさんあるとは思いますが、松坂大輔要する横浜vsPL学園の延長17回の熱戦や田中将大要する駒大苫小牧vs斎藤佑樹要する早稲田の延長再試合など選手達の熱い闘志に感動を覚え、歴史は語り継がれています。そして現役のプロ野球選手として今でも活躍しておられます。私はタイブレークを導入したことによって語り継がれる高校野球の歴史が減っていく…そんな気がします。